厚膜2液型エポキシ樹脂系塗床材『ユカクリートタイル#70』

ユカクリートタイル#70はタイルのような硬さとエポキシ樹脂特有の強靱さを生かし、耐摩耗性・耐衝撃性・耐薬品性に重点をおいて設計された製品です。厚膜施工が可能な耐久性塗床材です。

特長

  1. ホルムアルデヒドの放散量が少なく、日本塗料工業会の認定を受けています。
    日塗工登録番号 D01153
    ホルムアルデヒド放散等級 F☆☆☆☆(規制対象外)
  2. 無溶剤型エポキシ樹脂を基材としていますので、溶剤による毒性の心配がなく、一度に塗膜に塗付できます。
  3. レベリング性にすぐれていますので、ムラのないシームレス(継ぎ目なし)な床に仕上がります。シームレスなため、シート床材や磁器タイルのように、つぎ目がよごれたり、はがれたりすることがありません。
  4. 接着強度が高く、強靱な塗膜が得られます。
  5. 機械的強度や耐水性、耐薬品性、耐油性に優れており、過酷な条件下の使用にも耐えます。
  6. 光沢がよく、耐汚染性にも優れているため、清掃が容易で長期にわたって美しさを保ちます。
  7. ガラスクロスを使用する「ライニング工法」や、ユカクリート耐熱骨材を使用する「耐熱水工法」などの仕様で施工する事が可能です。

用途

  • 電器工場、機械工場、自動車工場、化学工場、製紙工場、食品工場など
    ※フォークリフトも走行可能な高耐久性塗床材です。
  • 研究室、実験室、倉庫、学校、病院、食堂、厨房、駐車場、内部階段、事務所など
    ※注意)厨房の床で熱水が通過するような耐熱性を必要とする場合では、「レジモルハードUW(防滑仕上げ)」か「ユカクリートタイル#70耐熱水工法」の仕様で施工して下さい。なお、釜下の様な厳しい耐熱性を要する床には「レジモルハードUW」の仕様のみ可能です。

 抗菌型・TFX・低臭速乾型もございます。 
(*TXFは厚生労働省が指定した13物質を含んでおりません。)

日塗工登録番号
D01186(タイル#70 抗菌型)
D01187(タイル#70 TXF)
D01188(タイル#70 低臭速乾型)

標準塗装仕様

■流しのべ工法 平滑仕上げ(標準塗膜 約1.2mm)

※1 下地の状態によって若干の増減があります。また、下地の吸い込みが少ない時はユカクリート塗替用プライマーをご使用下さい。
※2 上塗りの塗付量を増減させることにより、標準膜厚約0.8~約1.5mmの範囲内で施工することが可能です。上記標準塗装仕様は、膜厚が約1.2mmの場合です。
工程 品名 内容 塗付量
(kg/㎡/回)
塗装間隔
(23℃)
1 下地 下地モルタル及びコンクリートは金ゴテ仕上げで、十分に強度のあるものとします。
通常、モルタルは打設後2週間以上、コンクリートは4週間以上の養生が必要です。
2 下地
処理
1. 含水調査はポリエチレンフィルムを床面に敷き、周囲をテープで密封して翌日(16時間後)
開封する手順で行い、床面が黒っぽく濡れたりフィルムに結露していないこととします。
また、含水率は、デジタル式水分計で5%以下を目安とします。
2. 必ず全面を、サンドペーパーがけ(P24~P40)により目荒しを行い、汚染物やレイタンス
などを除去します。
3. 油脂、グリース、タールなどはシンナーか洗剤で除去します。
4. 必要に応じて、クラック、穴などを補修します。
3 下塗 ユカクリート
含浸プライマー
主剤と硬化剤を1:1(質量比)の割合でよく混合し、
はけ、ローラーで均一に塗装します。
0.14~
0.16
※1
4時間以上
7日以内
4 中塗 ユカクリート
タイル#70
主剤と硬化剤を5:1(質量比)で混合します。
8号硅砂10%(質量)とタレ防止剤(ミルコンMS-2)
3%(質量)を混合します。
ユカクリートタイル#70専用シンナーで5%(質量)
希釈し、しごき塗りします。
0.30 16時間以上
7日以内
8号硅砂 0.03
ユカクリート
タレ防止剤
(ミルコンMS-2)
0.01
5 上塗 ユカクリート
タイル#70
主剤と硬化剤を5:1(質量比)の割合でよく混合し、
コテで塗り広げます。
1.40
※2
6 養生 養生期間中は出入口を封鎖し、歩行しないように注意します。軽歩行可能時間 24時間以上(23℃)

■流しのべ工法 平滑仕上げ

■流しのべ工法 防滑仕上げの場合

  • 下塗りが乾燥した後、ユカクリートタイル#70 0.4~0.5kg/㎡をローラーで塗付し、未硬化中に4~5号硅砂を適宜散布して下さい。この時、ユカクリートタイル#70は、ユカクリートタイル#70専用シンナーで5%希釈して下さい(防滑仕上げの場合のみ5%まで希釈可です)。上塗りも同じです。
  • 硅砂の基準散布量は1.2kg/㎡です。
  • ユカクリートタイル#70が硬化後、余分の硅砂を除去し、もう一度、ローラーで0.4~0.5kg/㎡塗付して下さい。
    硅砂が沈んで平坦に見える箇所が生じた場合は、その部分に硅砂を追加散布しローラーで馴染ませて下さい。

■耐熱水工法(耐熱温度 80℃以下) 平滑仕上げ(標準膜厚 約3mm)

※1 耐熱水工法のユカクリート 耐熱骨材は、タイル#70 全量に対して40%(質量)混合します。
工程 品名 内容 塗付量
(kg/㎡/回)
塗装間隔
(23℃)
1 下地 下地モルタル及びコンクリートは金ゴテ仕上げで、十分に強度のあるものとします。
通常、モルタルは打設後2週間以上、コンクリートは4週間以上の養生が必要です。
2 下地
処理
1. 含水調査はポリエチレンフィルムを床面に敷き、周囲をテープで密封して翌日(16時間後)
開封する手順で行い、床面が黒っぽく濡れたりフィルムに結露していないこととします。
また、含水率は、デジタル式水分計で5%以下を目安とします。
2. 必ず全面を、サンドペーパーがけ(P24~40)により目荒らしを行い、汚染物やレイタンス
などを除去します。
3. 油脂、グリース、タールなどはシンナーか洗剤で除去します。
4. 必要に応じて、クラック、穴などを補修します。
3 下塗 ユカクリート
含浸プライマー
主剤と硬化剤を1:1(質量比)の割合でよく混合し、
はけ、ローラーで均一に塗装します。
0.14~
0.16
4時間以上
7日以内
4 中塗 ユカクリート
タイル#70
別の容器を準備し、その中でユカクリートタイル
#70の主剤 6.25kgと硬化剤1.25kgをよく混合
します(5:1 質量比)。
さらに、ユカクリート耐熱骨材を3kg加え、撹拌
し、混合物をコテで塗り広げます。
2.15 16時間以上
7日以内
ユカクリート
耐熱骨材
0.85
※1
5 上塗 ユカクリート
タイル#70
主剤と硬化剤を5:1(質量比)の割合でよく混合し、
ユカクリートタイル#70専用シンナーで5%(質量)
希釈し、はけ、ローラーで均一に塗装します。
0.40~
0.50
6 養生 養生期間中は出入り口を封鎖し、歩行しないように注意します。軽歩行可能時間 24時間以上(23℃)
■耐熱水工法

■タイル#70の各仕様と使用用途
※ 上記の使用用途以外における仕様や、特殊な施工条件などでの仕様につきましては、ご相談下さい。
注) 耐熱水工法は含浸プライマー以外のプライマーは使用不可です。
仕様 工程図 膜厚(mm) 使用用途
流しのべ工法
平滑仕上げ
平滑面
約0.8
~1.5
一般的な工場、一般的な倉庫
整備工場、事務所、階段、廊下
店舗、研究施設、化学薬品工場
台車などが通過する床
流しのべ工法
防滑仕上げ
防滑面
約1.6

膜厚 増
約2.0
認定 可
一般的な工場、一般的な倉庫
整備工場、事務所、階段、廊下
店舗、研究施設、化学薬品工場
等の滑り止めを要する床
台車などが通過する床
ペースト工法
平滑仕上げ
平滑面
約2.0
~3.0

防滑仕様
「床面により物性強度を必要と
する床」
車両やフォークリフト等が通過
する床
一般的な工場、一般的な倉庫、
整備工場
機械組立工場、精密工場
モルタル工法
防滑仕上げ
防滑面
約6.0

平滑仕様
「重量物などのかなり大きな荷
重が加わる床」
重量物を運ぶ車両やフォークリ
フト等が通過する床
一般的な工場、一般的な倉庫、
整備工場
機械組立工場、精密工場
「下地からの水分の上昇・
フクレを抑える目的の床」
ライニング工法
平滑仕上げ
平滑面
約1.6厚
貯蔵タンク下の受け皿
耐薬品性を有する研究施設、
化学薬品工場
耐久性を向上させる必要性の
ある床
※JIS R3416 EPF21A 相当
耐熱水工法
平滑仕上げ
平滑面
約3.0

防滑仕様
80℃以下の熱水が流れる床面
(耐熱温度80℃まで)厨房、食堂、
給食センター など
●釜下など、沸騰水が床に直接
落ちるなど、耐熱条件の厳しい
床面施工については、「レジモル
ハードUW(防滑仕上げ 7mm厚)」
をご検討下さい。
タイル#70
TXF
上記のタイル#70の各仕様と同様に
施工することができます。
(使用するシンナーやプライマーが
一部異なる場合があります。)
注)
国土交通省・文部科学省
公共建築物の床
学校・幼稚園・大学 など
タイル#70
低臭速乾型
厨房、食堂、事務所、病院、
ホール、店舗
給食センター、食品加工工場、
食品製造工場 など
タイル#70
抗菌型
厨房、食堂、病院、手術室、
麻酔室
給食センター、食品加工工場、
食品製造工場 など

性能

■一般物性

※ 塗膜物性の試験結果は実測値であり、保証値ではありません。
項目 結果 単位 備考
硬度 83 HDD JIS K 7215
曲げ強さ 51.0 N/m㎡ JIS K 7171
圧縮強さ 73.9 N/m㎡ JIS K 7181
引張強さ 34.9 N/m㎡ JIS K 7113
シャルピー衝撃値 2.25 KJ/㎡ JIS K 7111
耐摩耗性 9.5 mg CS-17 4.9N 100回転
144 日本塗り床工業会
CS-17 9.8N 1000回転
酸素指数 26 JIS K 7201
吸水性
(23℃蒸留水浸漬)
1週間 0.2 % JIS K 6911に準ずる
50日間 0.97 % JIS K 6911に準ずる

■耐熱水性(ユカクリートタイル#70耐熱水工法)

項目 結果 備考
耐熱水性 外観 ふくれ、浮き、はがれが認められない 日本塗り床工業会 標準試験方法
NNK-011
95℃熱水1時間⇔20℃水道水
50分 50回浸漬
耐熱水試験後
付着性
2.5MPa 基材破壊
(1.0MPa以上 合格)
評価 耐水使用に対する耐性が大

■耐薬品性(48時間のスポットテスト)

○:通常の使用に耐える △:限定的な用途では耐える ×:使用に耐えない
さらに高い耐薬品性を要する場合はポリタイル#1000などの用意がございますのでご相談下さい。
薬品 結果 薬品 結果 薬品 結果
硫酸 10% 酢酸 10% エタノール
硫酸 30% 次亜塩素酸ソーダ 1% アセトン
塩酸 10% 水酸化ナトリウム 20% ガソリン
塩酸 36% × アンモニア水 20% 灯油

標準色


※エポキシ樹脂は黄変しますので淡彩色をお選びの場合はご注意下さい。屋外などでのご使用には耐候性の良いユカクリートAUを上塗りすることをお勧めします。

可使時間と硬化時間

単位:時間 ※タイル#70専用シンナーを3%加えたときの硬化時間です。
注意:
(1)施工時の気温により硬化剤(夏型、春秋型、冬型)を使い分けて下さい。また、タイル#70専用シンナーの希釈量を超えますと、著しく硬度が低下しますのでご注意下さい。
(2)硬化時間は、軽歩行可能までの養生時間を示しています。タイル#70専用シンナーを使って希釈しますと硬化時間は遅延します。
(3)TFX・抗菌型の硬化時間は、上記の3季型(夏型・春秋型・冬型)と同じです。
品名 5℃ 10℃ 15℃ 20℃ 25℃ 30℃
ユカクリート
含浸プライマー
可使時間 20 16 10 6
硬化時間 8 6 4 2
ユカクリート
タイル#70夏型
可使時間 32(分) 18(分) 8(分)
硬化時間 24 20 16
ユカクリート
タイル#70春秋型
可使時間 45(分) 28(分) 14(分)
硬化時間 24 20 16
ユカクリート
タイル#70冬型
可使時間 30(分) 20(分) 10(分) 7(分)
硬化時間 30 16 12 4
ユカクリート
タイル#70低臭速乾型
可使時間 45(分) 20(分) 15(分) 10(分)
硬化時間 40 24 16 5

容量と塗装面積

※1 文部科学省「学校環境衛生の基準」で指摘されている6物質「ホルムアルデヒド」、「トルエン」、「キシレン」、「パラジクロロベンゼン」、「スチレン」、「エチルベンゼン」について基準値に適合する「TXF」もあります。「TXF」は厚生労働省13物質も含んでいません。「TXF」を施工される場合は、下塗りにユカクリートミズユカプライマーを塗装し、シンナーはユカクリートタイル#70TXF専用シンナーを使用してください。「TXF」との塗装間隔は3時間以上(23℃)です。
※2 食品工場や厨房などに適した「抗菌型」や「低臭速乾型」もあり、それぞれの「TXF」タイプも用意できます。配合比や容量はユカクリートタイル#70と同じです。
品名 材質 配合比
(質量)
容量 塗装面積
(㎡/1缶)
ホルムアルデヒド
放散等級
日塗工登録番号
ユカクリート
含浸プライマー
溶剤2液型
エポキシ
樹脂系
主剤 1 16kg
セット
主剤 8kg 100~
114/回
F☆☆☆☆
D01158
硬化剤 1 硬化剤 8kg
ユカクリート
タイル#70
※1
※2
厚膜2液型
エポキシ
樹脂系
主剤 5 15kg
セット
主剤 12.5kg 8.8
(1.7kg/㎡)
F☆☆☆☆
D01153
硬化剤 1 硬化剤 2.5kg
ユカクリート
耐熱骨材
無機系
骨材
6kg(3kg×2) 7