滑りにくさにも関係する動摩擦係数とは

みなさんこんにちは
床すべり止め.comの保坂です。

本日は、滑りにくさにも関係する動摩擦係数についてお伝えしていきます。

動摩擦係数について

動摩擦係数とは、動摩擦力は物体に作用する垂直抗力に比例し、このときの比例定数のことを言います。
大ざっぱに言うと動いた時の滑りにくさを言います。

これだけだとピンと来ませんので、少しずつお話ししていくと、まず物体が動く時にはどんな場所(たとえ浮いていても)でも動きを妨げる力が働きます。
これが摩擦です。

摩擦は、床面だけに起きるものではありません。
厳密にいえば重力や空気にも当てはまります。

摩擦の釣り合っている状態を静止摩擦力と言います。

机の上にコップが動かずにおいてある状態は静止摩擦力と外力(コップが動こうとする力)が釣り合っていると言えますし、分かりやすく言えば坂道に駐車した車が動かない場合も、静止摩擦力(ブレーキやタイヤ、路面の抵抗)と外力(車の重さ、重力、車輪)が釣り合っていると言えるのです。

この静止外力が釣り合った状態、バランスの取れた状態からバランスが崩れると物体が動き出します。

この時に発生する抵抗が動摩擦力です。
この摩擦力は、静止摩擦力よりも弱い特徴があります。

つまり、物体は動いてしまえば摩擦力が少なくなり、より動きやすくなるという性質(物理的な法則)があります。この動摩擦力が少なくなるほど、物体は加速していきます(抵抗する力が少なくなっているので)。

逆に動摩擦力が多くなるほど、物体は減速していきます。

このような作用のある摩擦力(静止摩擦力、動摩擦力)ですが、それぞれの大きさは、接触面の状態(つるつるかざらざらか、など)と押し付ける力(物体を押し付ける重力のような力)の二つの要素で決まります。このうち押し付ける力は、垂直抗力と言う言葉で言い表すことができ、動摩擦力の場合、「F’(動摩擦力)=μ’(接触面の状態)×N(押し付ける力)」と表現できます。

この式のうち、「μ’(接触面の状態)」が動摩擦係数となるのです。

つまり冒頭の言葉に戻ると動摩擦係数は接触面の状態、動いた時の滑りにくさと言う言葉になるのです。

一般的に動摩擦係数と出てきたら、滑りにくいか滑りやすいか判断する数字と捉えるのが良いのではないでしょうか。
ちなみに、金属同士の摩擦係数は多くの場合0.3~0.9程度です。