床滑り止めについて考える!静摩擦係数とは

みなさんこんにちは
床滑り止め.comの天野です。

滑りを考える中で、さまざまな用語がでてきますが、静摩擦係数も、その中の一つです。
どうして、ものは滑りやすかったり、滑りにくかったりするのでしょうか?
そこには、摩擦が関係しています。

摩擦を具体例から考える

静摩擦係数について考える前に、まず「摩擦」というものについて考えてみましょう。
いきなり定義から入ってもイメージがしにくいので具体例から考えます。

摩擦の最たる例としてよく挙げられるものに次の事があります。

あなたが自転車で平坦な道を進んでいるとします。
この場合、自転車のペダルをこぎ続ける限り自転車は止まることなく動き続けます。

しかし、こぐのをやめた場合はどうでしょうか?
自転車はだんだんと減速してやがて止まってしまいますよね。

このように自転車が止まる動きが摩擦の作用によります。
もう少し詳しく説明すると、自転車をこぐという行為は、前に進もうとする力を加えている運動です。

この力を加えるからこそ自転車は前に進みます。
一方で自転車の進行方向と逆向きにも力が働いており、このように運動に抵抗する力が働く現象のことを「摩擦」と呼びます。

静摩擦係数

さて、それでは本題の「静摩擦係数」についてみていきましょう。
こちらも具体例を考えてみることにしましょう。

机の上に本が置いてある状況をイメージします。
この状況では、力を加えない限り本は動きません。

ここに静摩擦係数が関係しています。
本には下向きに重力が働いており、本は机から押し返される力も受けています。

二つの力がつり合っているのから、本はそこで停止しているのです。

軽く触れてみるだけだと本は動かないでしょう。

この際、本に対して少しですが、力が加わることになります。

それでも、動かないというのが「静摩擦」によるものです。
この静摩擦というのは、外から力が加えられた時に物体(この例では本)が動かないように加えられた力と反対側に力が働く現象のことを指します。

「静摩擦係数」とは2つの物体の接する面において生じる摩擦力(本が動かないように働く力)と接する面に直角に作用する力(本にかかる重力)の比のことです。
この係数は2つの物質の材質等により変化し、特に接する面が粗い場合には大きくなります。

この値をより小さくすることで、少ないエネルギーで物を動かせたりします。
そのため機械製造の分野では研究が進んでいるのです。